ルイ・ヴィトンの定価は上がり続けています。では、中古の相場も同じように上がっているのでしょうか。
答えは「型番による」です。
定価の値上げは全品が一斉に上がりますが、中古相場は型番ごとに動き、上がる型番もあれば下がる型番もあります。そこで今回は、いま値上がり・値下がりしている型番の一覧(毎週更新)、定番の旧型と新型の推移グラフ、相場が動く4つの理由、グラフの読み方をまとめました。
「値上がり」には2つある
「ルイ・ヴィトンが値上がりしている」という言葉は、2つの別の話を指しています。
| 定価の値上げ | 中古相場の動き | |
|---|---|---|
| 何が動くか | ルイ・ヴィトン店舗などの販売価格 | 中古市場で実際に販売された価格 |
| どう動くか | 全品が一斉に、年に数回。一度上げた価格は基本的に戻らない | 型番ごとに、変化。上がる型番も下がる型番もある |
| 主な理由 | 為替(円安ユーロ高)・原材料・物流のコスト | 世代交代・復刻・廃番・流行(下で説明) |
| 誰に関係するか | これから新品を買う人 | 中古を買う人・手放す人・持っている人 |
定価の値上げはどう起きるか
ルイ・ヴィトンの価格改定は公式に予告されず、ある日を境に公式サイトでも価格が変わります。
対象は現行の全製品で、改定のたびに数%ずつ上がるのが通例です。一度上げた価格が元に戻ることは基本的にありません。
背景として挙げられるのは、円安ユーロ高の為替、レザーや金具の原材料費、国際輸送費の上昇です。これらは年ごとに変わるので、「今年は何回・何%」という数字には波があります。
中古相場はそれとは別に動く
ここで扱うのは「中古相場の動き」です。中古相場は、実際に販売された価格から算出している数字で、型番ごとに違う動きをします。
「定価が上がれば中古も上がる」と言われますが、それは現行品(新型)の中古に当てはまりやすい話です。定価がもう存在しない旧型や廃番品は、定価ではなく需要と流通量で動きます。下の推移グラフで、旧型と新型を並べて確かめられます。
いま値上がりしている型番・値下がりしている型番
BRAND Xで毎週更新している中古相場のうち、前月比の上位です。並び順は毎週の更新で自動的に入れ替わります。
「前月比」は約30日前の相場と比べた変化率で、流通が少ない型番はわずかな件数で大きく動くことがあります(読み方はグラフの読み方)。
値上がり率が高い型番
値下がり率が高い型番
ランキングには、相場・前月比・ライン・型番が出ています。型番を押すと商品ページで推移グラフと中古流通数が見られます。
中古相場が動く4つの理由
定価の値上げ以外に、中古相場を動かす主な要因は4つあります。
手元の品物がどれに当てはまるかで、相場の見方が変わります。
世代交代:新型が出ると旧型が動く
ルイ・ヴィトンの定番品は、仕様を変えて型番だけが切り替わることが多く、公式サイトには新型しか載りません。スピーディの旧型と新型、ジッピーウォレットのカード8枚と12枚などがそれです。
新型が出ると、旧型は「新品では買えないもの」になります。旧型のデザインが好まれれば相場は保たれ、新型への移行が進めば下がります。どちらに動くかは型番ごとに違うので、旧型と新型を分けて見る必要があります。
復刻:再発売で元の型が見直される
廃番になったモデルが復刻されると、元の型(オリジナル)に注目が集まり、相場が動くことがあります。復刻と元の型はステッチの位置や内ポケットの配置、底鋲の数などが違い、コレクターは元の型を区別して求めます。
復刻の事例は廃盤の調べ方情報にまとめています。
廃番:新品が買えなくなり中古だけになる
製品そのものが生産を終えると、その型番は中古市場でしか手に入りません。希少性で上がる場合もあれば、需要が減って下がる場合もあり、「廃番=値上がり」ではありません。
廃番かどうかより、いまどのくらい流通していて相場がどう推移しているかのほうが、その型番の現在の価値を正確に表します。
流行:注目が集まると上がり、過ぎると下がる
1990〜2000年代のモデルが再評価されるヴィンテージブームのように、特定の年代や形に注目が集まると、その型番の相場が動きます。流行は入れ替わるので、上がった型番がそのまま高止まりするとは限りません。
定番の相場の動きをグラフで見る
「定価が上がれば中古も上がる」が本当かどうかは、旧型と新型を並べて見ると分かります。
定価の値上げは新型(現行品)の価格の話なので、それが中古に効くなら新型の中古が先に動くはずです。旧型には定価がもう無いので、別の理由で動きます。
グラフは毎週更新しています。相場の下に中古流通数が出ているので、件数もあわせて見てください。
スピーディ30:旧型 M41526 と新型 M41108
旧型はオープンポケット、新型はファスナー付きポケット。見分け方はスピーディの型番一覧にあります。
旧型 M41526(↘ -0.1% 前月比・直近の中古の流通数 504件)
新型 M41108(↘ -3.1% 前月比・直近の中古の流通数 34件)
ジッピーウォレット:旧型 M60017 と新型 M42616
旧型はカードポケット8枚、新型は12枚。見分け方はジッピーウォレットの型番一覧にあります。
旧型 M60017(↗ +3.8% 前月比・直近の中古の流通数 275件)
新型 M42616(↘ -1.6% 前月比・直近の中古の流通数 47件)
キーポル・バンドリエール45 M41418(現行)
通常型のキーポルが廃番になり、ストラップ付きのバンドリエールだけが現行として残っているモデルです。詳しくはキーポルの型番一覧。
M41418(↗ +5.2% 前月比・直近の中古の流通数 49件)
同じシリーズでも、旧型と新型で相場の水準も動き方も違います。「スピーディ30の相場」という1つの数字は存在せず、型番ごとに見る必要があります。
古い型・廃番は値上がりするのか
「20〜30年前のヴィトンは高く売れる」「ヴィンテージで高騰している」という話と、「古いから価値が下がる」という話の両方があります。どちらも正しく、どちらも一概には言えません。
判断の材料は2つです。その型番がどのくらい流通しているかと、相場がどう推移しているか。流通が続いていれば相場は成立しており、推移を見れば需要が続いているのか下がっているのかが分かります。
例えば旧型のスピーディ30(M41526)は直近で 504件、旧型のジッピーウォレット(M60017)は 275件の流通があります。
生産を終えた型番でも、これだけの流通があれば相場は「成立している」と言えます。
型番が古いかどうか、公式に無いのが廃番のせいか型番変更のせいかは、廃盤の調べ方の記事で確かめられます。製造番号から製造時期を読む方法は製造番号の読み方で紹介しています。
グラフの読み方
BRAND Xの相場グラフを読むときに、先に見ておくと誤解しない点をまとめます。
| 見るもの | 意味 | 注意 |
|---|---|---|
| 中古相場 | その週の中古市場のデータから、極端な値を除いて算出した代表値 | 1件の販売価格ではない。買取価格でもない |
| 前月比 | 約30日前の相場と比べた変化率。毎週更新 | 履歴が30日に満たない型番は「前回比」と表示される |
| 中古の流通数 | 相場の算出に使った過去6か月の中古流通数 | 少ないほど1件の影響が大きく、グラフが振れる |
| 期間の切り替え | 1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月。1年と全期間は無料会員のみ | 記録の始まりが新しい型番は、記録のある期間だけ表示される |
| 買取目安 | 中古相場から見た、売却時の参考の幅 | 実際の買取価格は店と品物の状態で決まる |
相場の算出方法の詳細は相場の見方・使い方にまとめています。
手放すか、持ち続けるか。見るべき3つの点
「今が売り時」と断言する情報は多いですが、それは型番によります。BRAND Xの相場で見られるのは次の3点で、判断はこれを見て自分で決めるのが確実です。
| 見る点 | どこで見るか | 読み方 |
|---|---|---|
| 推移 | 商品ページのグラフ | 上がっているか、横ばいか、下がっているか。前月比だけでなく線の向きを見る |
| 中古の流通数 | グラフの下の「中古流通数」 | 多ければ流通が活発で相場が安定。少なければ希少だが振れやすい |
| 世代 | 各シリーズの型番一覧 | 旧型か新型か。新型が出ている旧型は、新型の動きにも影響される |
定価の値上げが続いているからといって、手元の型番の中古相場が上がっているとは限りません。逆に、定価に関係なく上がっている旧型もあります。
手元の品物の型番で、実際の推移を確かめるのが、いちばん確かな方法です。
中古で買うときも同じ3点を見る
「値上がりする前に中古で買いたい」という場合も、見る点は同じです。
推移が上向きの型番は、待つほど相場が上がる可能性があります。流通が多い型番は、探せば状態の良いものに出会いやすく、相場の目安も信頼できます。旧型と新型のどちらを買うかは、仕様の違いと相場の差を型番一覧で見比べて決められます。
手元の型番の推移を見る
型番が分かっていれば、トップページの型番検索から商品ページを開くと、相場の推移グラフ・中古流通数・前月比・買取目安が見られます。相場は毎週更新しています。
型番が分からない場合は、バッグは型番の調べ方の記事、財布は財布の型番の調べ方の記事で、実物の特徴から特定できます。

ブランド品 相場データベース BRAND X 監修
リサイクルショップの元店長。約10年買取カウンターに立ち、10万点を超える品物に値段をつけてきた。
買取は不透明だと思われがち。でも値段のつけ方には理屈があって、それが見えれば手放すかどうかを自分で決められる。
買取・査定に関する著書も3冊。『プロだけが知る高級ブランドの見抜き方』『リサイクルショップ買取の現場が教える 査定の値段が見えてくる方程式』『その遺品、捨てたらもったいない』



