上条 健一

上条 健一

上条 健一

かみじょう けんいち

ブランド品 相場データベース BRAND X 監修

リサイクルショップの元店長です。約10年間、買取カウンターの内側に立ち、10万点を超える品物に値段をつけてきました。
ルーペで布の織り目を数え、ボタンの裏の刻印を確かめ、「この品はいくらか」を毎日判断する仕事でした。持ち込まれるのは、押し入れから出てきた洋服、ブランドのバッグ、もらったけどしまってあった贈答品。どれも、持ち主にとっては値段の見当がつかないものばかりです。
その経験をもとに、BRAND X で中古相場のデータベースと記事を監修しています。

専門領域

  • ブランド品
  • 査定・鑑定
  • 真贋

値段は、言い値で決まるわけではない

新品には定価があります。店に並んでいる値札を見れば、それが正しい値段だと分かる。

中古には、それがありません。同じバッグでも、状態によって値段はまるで違う。調べても「10万円前後」「〜5万円前後」といった曖昧な数字しか出てこない。そして買取価格は、さらに見えにくい。

だから「言い値で決められているのでは」と思われがちです。

実際は違います。素材、状態、いまどれくらい探されているか。カウンターの内側では、それを見て判断しています。理屈はあるのです。

ただ、その理屈が外からは見えない。見えないから、提示された金額が妥当かどうか判断できない。判断できないまま決めるのは、気持ちのいいものではありません。

「もったいない」と思ってきた

もうひとつ、ずっと気になっていたことがあります。

手放された品物の多くは、次の持ち主のところへ行きます。誰かが探していて、その人の手に渡る。中古の市場は、そういう仕組みで回っています。

なのに、値段が分からないという理由だけで、押し入れにしまい込まれたまま何年も経つ。あるいは、価値があると知らずに処分されてしまう。次にそれを欲しい人がいるのに、届かない。

それが、もったいないと思ってきました。

だから、相場を公開しています

BRAND X では、ルイ・ヴィトンの型番ごとに、中古市場で実際にいくらで売れているかを毎週まとめて公開しています。

一点の値段ではありません。同じ型番でも状態によって値段は変わるので、いちばん安いところからいちばん高いところまでの幅と、その真ん中あたりの水準を出しています。過去からの動きもグラフで見られます。

相場が分かれば、査定で提示された金額が妥当かどうか、自分で判断できます。納得できれば、その場で決められる。低すぎると感じたら、別のところにも出してみればいい。判断の材料さえあれば、迷わずに済みます。

監修で確かめていること

記事に書く数字は、すべて実際のデータに当たって確かめています。「〜と言われています」「〜の傾向があります」で済ませず、何件を集計した結果なのかまで見た上で載せています。

同時に、書かないと決めていることもあります。確かめられないことは書きません。データが無いことは「無い」と書きます。たとえば当サイトには品物の状態を記録していないので、「状態別の相場」は出せません。出せないものを、それらしく書くことはしません。

「これは高く売れます」「今が売り時です」といった煽り方もしません。売るかどうかを決めるのは、持ち主だからです。

著書について

買取カウンターで見てきたことを、3冊の本にまとめました。3冊はつながっています。

物との別れ方(『その遺品、捨てたらもったいない』)、値段の理屈(『査定の値段が見えてくる方程式』)、そしてプロが実際に何を見ているか(『プロだけが知る高級ブランドの見抜き方』)。

10年間で見た10万点分の目を、できるだけ言葉にしました。

著書